2019.5.28
金刀比羅神社改修工事 Vol.2
どーもニコです。
金刀比羅神社改修工事、
ついに解体の目処がついてきました。
それにしても本当に頑張ってくれた上屋です。
土壁を剥がすとボロボロの木摺りと土台と柱が見えてきました。
土蔵の上屋は年代を特定するのは難しいですが、木摺りを設置するのに洋釘を使用しているので、わりと最近ではないかと思っています。
きれいに木部が残っている面も有りました。この手間を創造するだけで鳥肌が立ちます。
手で引いて手斧を掛けた柱に、手引きの木摺りを設置します。その上にプラスターを塗り、土を塗り、
最後に漆喰を塗って完成です。
その木摺りの一本一本に藁縄が巻かれていて、プラスターの喰いつきを良くしています。
土台部分にはやはり桧を使い、その上に木摺りの代わりに5分幅程度に割った竹を付けていました。
これは竹の抗菌作用を利用しているのでしょうか?
また不思議なのは2尺5寸ピッチにまとまった藁縄が打ち付けられているのです。
厚みの必要な土壁が落ちないための措置でしょうか?
様々な工夫が見られて本当に面白いです。
そんな中、大工さんが問題を出してくれました。
それは「柱に入っているノコ目が何故あるのか?」でした。
ヒントはケヤキの柱には無く、杉の柱には有るという事、
3尺ピッチに入っているという事でした。
結局、私には分かりませんでした。。。
正直に言って大工さんに問題を出されるまでは、柱のノコ目にすら気が付きませんでした。
くまなく観察をするには、全てにおいて疑問を持ち、「なんとなくで」モノを見ないようにすることだなと感じます。
普段の時間の使い方がいかに「もったいない」かという事だな思うのです。
時間がもったいないからと「時短」を重視して、モノゴトをじっくり考えながら観察することをしないと、
「本当の時間の使い方」が分からなくなるのですね。自分の経験として蓄積されていく時間が無いわけです。
自分の生命を削っているのに、それがちゃんと自分の中に蓄積されていないというのは、本当に考えさせられる瞬間でした。
ちなみに柱のノコ目の答えは「杉皮葺き用の杉皮を剥ぐために入れたノコ目」でした。
それを聞いた瞬間、目から鱗が落ちる思いでした。感動的ですね。
木材の全てを使って、最終的には地球に還るように作られている。
これ以上のエコロジーが有るだろうかと感動するのでした。
本当に良い経験をさせて頂いています。このご縁を頂けた全てのことに感謝です。