nico(ニコ)

ブログ

アーカイブ

2019.6.4

金刀比羅神社 Vol.3

どーもニコです。
今日はとても暑い日になりましたね。
外作業の方々は熱中症に注意して、水分をとりながら作業を進めて頂きたいと思います。

さて三島建築さんと一緒に進めさせていただいている金刀比羅神社の改修工事は
先日 解体工事が終了し、上屋の中から150年前の本殿が出てきて全貌が明らかになりました。
150年前の建物だというのに何というきれいな状態でしょうか。
これを見ると ボロボロだった上屋が風雨に耐えて、本堂を守るという役割を
立派に果たしてきたのだなと若干涙ぐむくらいの想いです。

IMG_7457

IMG_7445

上屋の壁は本殿の破風に和釘で留められていて、その和釘もとても素敵な釘でした。
手で叩いて形にして、ちゃんと抜けにくいように反しまで付いていました。
上屋の建具は漆喰で塗られていて解体屋さんが悲鳴をあげるくらいの凄い重さです。
土壁に漆喰の建具を設置し、更に鉄の扉で厳重に覆われていた本殿は、
新潟港開港の年に竣工し、この神社が新潟の人々に大切にされてきた事がひしひしと伝わってきます。

IMG_7465

IMG_7490

IMG_7307

そして昨日は傾いている本殿の土台上げでした。土台の水平を確認すると、一番高い場所と一番低い場所のレベル差が200mm近くもあり、
予想以上のレベル差に 都度、棟梁も頭を悩ませてながら作業を進めています。
まずはレベル差の少ない場所から基準の高さに少しずつジャッキで上げていきます。

IMG_7579

本殿を持ち上げて荷重がかかると、「パキパキパキッ!」と建物が鳴ります。
それでもジャッキを上げ続け、低い方の土台もレベルを合わせていきます。
IMG_7589

IMG_7591

すると高い方の土台まで上がってしまいました。
棟梁いわく「もう片側を上げたら元に戻るから大丈夫だろ。」とのこと。
ということは本殿の形は歪みもせず、ただ転んでいるという事になります。
これって凄いことです。木組みの建物の凄さを改めて感じる出来事でした。
最終的に全てのレベルを合わせ終わると、先ほど建物が転んで上がっていた土台も所定の位置に戻りました。
それだけの動きを見せたのにもかかわらず、継手・仕口はもちろんのこと、
壁の板を受けている部材の留めすら開いていないという鳥肌が立つような状況に、
ただただ驚くばかりでした。

IMG_7602

IMG_7594