2018.9.26
松林再生の記録①(2015年11月)
新潟の海岸線は70kmにも及ぶ砂丘です。新潟では海岸線の飛砂対策として、江戸時代から松の植栽が行われてきました。
海岸線の飛砂対策はなぜ行われてきたのでしょう?
新潟に住んでいると分かるのですが、海の近くの町は防砂林が無いと風で飛ばされた砂によって
住む場所がどんどん砂に埋もれてしまいます。人々の住む場所を守るために防砂林が必要でした。
ですが今、その松林はどんどん枯れています。
2015年11月、その松林を再生させるための試験的なプロジェクトが立ち上がりました。
アトリエニコはご縁があり、そのプロジェクトに関わらせて頂くことができました。
基本的には作業のお手伝いですが、同時にその時の記録を行いました。
とても興味深いので、過去の活動も含めてこちらで随時、掲載していきたいと考えています。
第一回目は新潟の海岸林の現状です。
掲載している写真は2015年の冬前の海岸林です。
当時の松林は藪状態の下草が枯れて、だいぶ林の中に入りやすくなっていました。
しかし夏場は鬱蒼とした藪になるので、このように入ろうとは思えなくらいの状態です。
松の木の状態を見ますと、葉の色が薄く、茶色い葉も目立っていました。
そもそも砂地で植物を育てるということがどれだけ難しいか。
有機物の無い砂で、植物が育つのに必要な栄養がどれだけあるのか。
そして海岸線という塩害の影響もある中で、新潟の先人たちが立派な松林を作ったという事が
どれだけ凄いことかというのが、この活動に関わらせて頂いてとてもによく分かりました。
そして防砂林によって守られている新潟に住む私たちが、防砂林とどのように関わっていくことができるのか。
枯れていく松を見ながら考えていました。