環境レポート一覧
2019.2.3
松林再生の記録②
松林再生の記録 第2回目です。(2015年11月)
松林はなぜ枯れてしまうのでしょうか?
一般的な原因として言われているのが
マツノザイセンチュウと言われる虫による虫害です。
「虫害」と言いますが、松クイ虫たちは松をいじめるために
枯らせているわけではありません。
松が大地に還る時期を迎えているので、そのお手伝いをしているのです。
松は生存するのに適した環境であれば、100年はゆうに生きています。
ですが新潟も含めた全国で まだ若い松が枯れていっています。
人間もそうですが、自分が生きていく環境が悪化していくと
病気になってしまいます。免疫力が下がってしまうのですね。
松も同じように自分たちが暮らす場の環境が悪化しているので、
免疫力が下がっていて、病気にかかってしまうわけです。(松クイ虫に付かれる)
松の免疫力が下がるというのは例え話ですが、
実際、様々な環境で植物たちが弱っていることは確かです。
この松林再生プロジェクトでは、悪化してしまった松の住む環境を改善し、
松に元気になってもらうために様々な事を行っています。
写真一つ一つを説明したのですが、それはまた次回にしたいと思います。
2018.9.27
nicoの庭①(2014年5月)
2018.9.26
松林再生の記録①(2015年11月)
新潟の海岸線は70kmにも及ぶ砂丘です。新潟では海岸線の飛砂対策として、江戸時代から松の植栽が行われてきました。
海岸線の飛砂対策はなぜ行われてきたのでしょう?
新潟に住んでいると分かるのですが、海の近くの町は防砂林が無いと風で飛ばされた砂によって
住む場所がどんどん砂に埋もれてしまいます。人々の住む場所を守るために防砂林が必要でした。
ですが今、その松林はどんどん枯れています。
2015年11月、その松林を再生させるための試験的なプロジェクトが立ち上がりました。
アトリエニコはご縁があり、そのプロジェクトに関わらせて頂くことができました。
基本的には作業のお手伝いですが、同時にその時の記録を行いました。
とても興味深いので、過去の活動も含めてこちらで随時、掲載していきたいと考えています。
第一回目は新潟の海岸林の現状です。
掲載している写真は2015年の冬前の海岸林です。
当時の松林は藪状態の下草が枯れて、だいぶ林の中に入りやすくなっていました。
しかし夏場は鬱蒼とした藪になるので、このように入ろうとは思えなくらいの状態です。
松の木の状態を見ますと、葉の色が薄く、茶色い葉も目立っていました。
そもそも砂地で植物を育てるということがどれだけ難しいか。
有機物の無い砂で、植物が育つのに必要な栄養がどれだけあるのか。
そして海岸線という塩害の影響もある中で、新潟の先人たちが立派な松林を作ったという事が
どれだけ凄いことかというのが、この活動に関わらせて頂いてとてもによく分かりました。
そして防砂林によって守られている新潟に住む私たちが、防砂林とどのように関わっていくことができるのか。
枯れていく松を見ながら考えていました。