nico(ニコ)

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2016.12.15

時が作り出す風合い

おはようございます。
今朝の新潟は吹雪いてみたり、お日様が顔を出したりと
天気が目まぐるしく変わっています。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?

カフェニコは先週で今年の営業を終えて、今は抱えている設計業務に勤しみつつ、
新発田の長徳寺さんでとても勉強になる経験をさせていただいています。
長徳寺さんからはいつも面白いご依頼を頂け、
その仕事を終えるたびに自分の引出しが1つ増えていて、
本当にありがたい経験をさせて頂いています。

さて今回のご依頼は新しくペンキで塗られた古い柱や梁を元の古い風合いに戻す事
とウレタン塗料でツヤツヤの床を本堂の床のような自然な風合いに変える事です。

今のご時世、新しいものを古い風合いに見えるように仕上げる事は有っても、
新しい状態を古い状態に戻すという機会はなかなか有りません。
今は色々な場面で新しくピカピカにする事が好まれますが、
それとは別に時間が作り出す風合いや自然な素材から醸し出される偶然の風合いも
とても良いものです。
もっと自然が織り成す変化を楽しめる方が心が豊かになるような気がするのです。

新しく塗られた柱や梁はペンキの下の風合いを残しつつペンキだけを剥がせるか、
薬剤の試し塗りをして確かめます。こちらは思いのほか成功したので方向性があっさり決まりました。
しかし床の塗膜剥がしと自然塗料での風合い調整は正直出たとこ勝負です。(笑)
床の塗膜も剥がれはするものの、自然塗料を塗った際にしっかり色が乗るかが問題です。
そして今回使用する塗料は柿渋に松煙とベンガラを混ぜ黒の中に見える赤茶を表現します。
柿渋に混ぜた色が顔料なので尚更入り込み難くく、塗装屋さんも四苦八苦。
でもこの試行錯誤が楽しいのです。それを一緒にやってもらえる職人さんたちには本当に感謝です。

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2016年12月15日 10:42 AM カテゴリー: 建築設計